R is for Rumor

~Rは流言のR~

煩悶するものはうっとうしい


(主に)中年男性が若い女性相手にしょうもないセクハラ行為を連発、というシチュエーションは、多くの人が目にしていると思う。

僕は「なぜ彼らはかくもバカなのか」ということを内心でずっと思っていたのだが、先日、あろうことか自分もセクハラ発言をしていた(詳細は言及先)ことに気づいてしまい、それで過去の個人的な体験ともあいまってたいそう落ち込んで床の上をごろごろ転がっていた。妹に踏まれて邪魔だと言われた。

そのときふと考えたのである。

セクハラというのはたいがい無自覚になされるものだ。女性の容姿をネタにするとか、他人の目の前でヌードグラビアを読むとか、擁護するわけではないが、セクハラー*1は「悪いこと」と思ってやっているのではない。

ほとんどの人は基本的に善良な人々である。「本当に悪い」と思っていたらやらない。というか「やれない」。つまり、ああいう振る舞いは、「これくらい別に大したことないよ、気にするほうが神経質なんだって」というような、「自分がどう見られているかと言うことに配慮のない」発想によるものなのだ(あらかじめ断っておくが、「罪の自覚なきものの行為は罪ではない」ということを言いたいのではない)。

それゆえ、「もし世のすべてのセクハラおやじが、ある日とつぜん自らの罪を自覚したらどうなるのか」ということが非常に気になったのである。彼らが過去の自分の言動を思い返し、そのあまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にして床の上をごろごろ転がり出したら、ちょっと大変なことになるのではないだろうか。

例えば国会だ。

先日の衆議院員議員選挙で、女性議員が「過去最高の54人」誕生したということだが、しかし全480議席中の54人である。僕も国会議事堂を見学に行ったことはあるが、426人がごろごろ転がるスペースが国会にあるのだろうかと心配になってくる。

国会の廊下にうまく並ばせればなんとかなるかもしれないが、官僚や国会職員の邪魔になるような気がする。そうして考えてみると、圧倒的に男性議員が多い現在の状況が抱える「リスク」がおぼろげながら見えてくるではないか。九割の議員が床ごろごろしていては立法府の仕事もなにもないぞ。そもそも参議院や地方議会だってあるのだ。なんということでしょう。一刻も早く議員男女比の是正が求められることもあわせて主張しなければならないようだ!

……

しかし今はとりあえず話を戻そう。たしかに「ああ、セクハラしてしまった! 恥ずかしい!! 恥ずかしい!! 恥ずかしい!!」などと煩悶して床をごろごろするおっさんはどう考えても邪魔くさい。あるいはそれを見た女性たちも、僕の妹のように「邪魔だからやめてくれない」と口にしてしまうかもしれない。しかしそこをちょっと待ってほしいのだ。

傍目には、煩悶するものはうっとうしい。しかし、そこで追求の手をゆるめてはいけないのである。追い打ちをかけるように過去の言動を徹底的に思い知らせ、さらに床ごろごろさせてほしいのである。そこから男女の真に対等な社会参画が始まると僕は信じている。

なんかぜんぜん反省してないような気がするかもしれませんが気のせいです。

*1:「セクハラする人」の意。この言い方、本当に使えるのだろうか?